Story
琳派の金銀箔地の背景模様を本革に
日本的でモード感あふれるテキスタイル
金箔銀箔の趣ある風情。
屏風はほの暗い室内に光を取り入れる
調度品でもあった。
実用品であるがゆえ金箔を重ねてできた
箔足と呼ばれる部分は年月とともに風化し、
はがれ、朽ちて、経年美化の様相を呈した。
その箔足文様の美しさを
箔工芸アーティストから教えてもらった。
今は琳派の作品のモチーフより
その背景の模様が気になっている。
明治時代にガス灯が登場するまで
電気もガスもなかった。
想像してください。
暗い室内でほのかに灯るろうそくや行灯の灯り。
そして月の光や薄日を照り返して輝く金箔の荘厳さを。
陰翳礼賛。
日本人の美意識の原点のひとつかもしれない。
